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メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
説明
この商品は光文社新書の『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』です。
だまされないために
インターネットで調べられるようになり便利になった一方、誤った情報に触れる機会も増えました。上位の検索結果が必ずしも正確とは限らず、むしろ目を引くタイトルの背後には適当な内容も存在しています。
そのようないい加減な情報に惑わされないために、この本はおすすめです。「科学報道を見破る十カ条」というまとめは非常に端的かつ分かりやすかったです。これらのポイントを心に留めておきたいと思います。
1、自身の懐疑主義を持ち、多種多様な情報を収集し、自ら判断すること。
2、「○○を食べれば」など単純な情報は信じず排除すること。
3、極端な情報(「危険」「効く」など)には警戒感を持つこと。
4、情報の提供者が何を得ることができるかを考えること。
5、体験談や感情的な訴えに対して冷静に接すること。
6、発表の「場所」に注目すること。学術論文ならば信頼性が比較的高い。
7、問題とされている現象の「量」に注目すること。
8、問題とされている事象が発生する条件や人間特有の要素を考慮すること。
9、他のものと比較して見る目を持つこと。
10、新たな情報に柔軟に対応し、考え方を変化させること。
以上です。
そのようないい加減な情報に惑わされないために、この本はおすすめです。「科学報道を見破る十カ条」というまとめは非常に端的かつ分かりやすかったです。これらのポイントを心に留めておきたいと思います。
1、自身の懐疑主義を持ち、多種多様な情報を収集し、自ら判断すること。
2、「○○を食べれば」など単純な情報は信じず排除すること。
3、極端な情報(「危険」「効く」など)には警戒感を持つこと。
4、情報の提供者が何を得ることができるかを考えること。
5、体験談や感情的な訴えに対して冷静に接すること。
6、発表の「場所」に注目すること。学術論文ならば信頼性が比較的高い。
7、問題とされている現象の「量」に注目すること。
8、問題とされている事象が発生する条件や人間特有の要素を考慮すること。
9、他のものと比較して見る目を持つこと。
10、新たな情報に柔軟に対応し、考え方を変化させること。
以上です。

1年前
佐藤 幹
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本当に危険なものは何?
食品添加物や農薬、化学物質や環境ホルモンなど、メディアには次々と危険なものが報道されて話題になります。しかし、これらの情報は漠然とした不安感を残し、風評を広めるだけで終わってしまいます。
この本では、何が本当に危険なのか、そして何が現代人の不安を煽る「自然・昔崇拝」の風評なのかを示し、安易な扇動的記事の根源を明らかにしています。
この本の判断基準は、科学的な論拠に基づく一次情報を信頼しているため、高い信頼性を感じました。
レビュアーは皆理系であり、農学の専門家ですが、「これは知らなかった、メディアに惑わされていたなぁ」という部分がたくさんありました。
特に科学報道の危険性に関する部分は非常に興味深く、新聞が「××が○○に危険性を認めた」と報道しても、実際に○○に危険性がなかった場合でも、それは誤報とは言えないという点が注目されます。
「××が認めた」という事実は、事実であるとして扱われます。(それならば、ジャーナリズムは不要ではないかと思ってしまいますが)
その後を丹念に追跡するような取材姿勢を持てれば素晴らしいと思いますが、現実的には困難なのかもしれません。
科学が暮らしの恐怖心を煽るものにならないように、著者の活躍を期待しています。
この本では、何が本当に危険なのか、そして何が現代人の不安を煽る「自然・昔崇拝」の風評なのかを示し、安易な扇動的記事の根源を明らかにしています。
この本の判断基準は、科学的な論拠に基づく一次情報を信頼しているため、高い信頼性を感じました。
レビュアーは皆理系であり、農学の専門家ですが、「これは知らなかった、メディアに惑わされていたなぁ」という部分がたくさんありました。
特に科学報道の危険性に関する部分は非常に興味深く、新聞が「××が○○に危険性を認めた」と報道しても、実際に○○に危険性がなかった場合でも、それは誤報とは言えないという点が注目されます。
「××が認めた」という事実は、事実であるとして扱われます。(それならば、ジャーナリズムは不要ではないかと思ってしまいますが)
その後を丹念に追跡するような取材姿勢を持てれば素晴らしいと思いますが、現実的には困難なのかもしれません。
科学が暮らしの恐怖心を煽るものにならないように、著者の活躍を期待しています。

1年前
山田 治
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説明がわかりやすく書かれています。
わかりやすく書かれているので、とても読みやすい文章です。
科学報道を見破るための十か条は面白い内容です。
科学的な知識があり、信頼できる情報源です。
最近の本や情報番組と比べて、検証されており思い込みによって書かれていることはありません。
新聞社の記者だった経験から、過去に自分自身も思い違いをしていたという話が書かれています。
科学報道を見破るための十か条は面白い内容です。
科学的な知識があり、信頼できる情報源です。
最近の本や情報番組と比べて、検証されており思い込みによって書かれていることはありません。
新聞社の記者だった経験から、過去に自分自身も思い違いをしていたという話が書かれています。

1年前
anonymous
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科学報道の問題点
『アルツハイマー病の誤解』と新書を読んだ後、科学報道の問題点について考えることがありました。メディアには健康情報や危険情報が多く流れていますが、これらはしばしば偏った内容であることが指摘されており、報道側の不勉強さが問題視されます。また、科学者や行政の対応も不十分であるという意見もあります。今回の本では、同じ趣旨が述べられていますが、本書は構成や議論がより成熟している印象です。また、新聞社内部の著者の意見に対する反発を感じない一方、フリーランスの科学ジャーナリストによる本書にはそういった感情的な要素が少ないように思われました。筆者が個人として力を尽くし、安定したサラリーマンとの違いがあるのかもしれません。もしこの二冊を比べて読むことがあるなら、私は本書を推薦します。
この本は主に科学報道に焦点を当てていますが、経済報道や政治報道でも同様の問題が存在すると私は感じています。どの場合も、メディアで活躍している記者たちの不勉強さが最大の原因です。これには、日本のジャーナリズム業界で専門家を育成しない風習が関係しているのかもしれません。スポーツ報道でも、「キャスター」が信じられない質問をすることがあり、その「素人の視点」が程度を超えているように思えます。経済や政策、科学でも同様で、論理的な議論を展開せずに表面的な善悪を断罪することは非常に危険です。
この背景には、一つには社会全体で見られる「アンチインテレクチャリズム(知識人嫌い)」という現象があるのではないかと私は考えています。アメリカでもこの問題は深刻で、ブッシュがゴアに勝利した最大の要因とされています。ヨーロッパではエリートがまだまだ存在し続けており、その抑制力が働いていると考えられます。しかし、我々の国では、政治指導者ですら「難しいことは分からない」と平気で言うほどこの現象が浸透しています。これは深刻な問題です。
結局のところ、メディアもまた「アンチインテレクチャリズム」に乗っかっているだけかもしれません。本書でも指摘されているように、メディアは大衆の好みに合わせた情報を提供しているに過ぎないのです。ニワトリが先か卵が先かのように、答えにくい問題ですね。
この本は主に科学報道に焦点を当てていますが、経済報道や政治報道でも同様の問題が存在すると私は感じています。どの場合も、メディアで活躍している記者たちの不勉強さが最大の原因です。これには、日本のジャーナリズム業界で専門家を育成しない風習が関係しているのかもしれません。スポーツ報道でも、「キャスター」が信じられない質問をすることがあり、その「素人の視点」が程度を超えているように思えます。経済や政策、科学でも同様で、論理的な議論を展開せずに表面的な善悪を断罪することは非常に危険です。
この背景には、一つには社会全体で見られる「アンチインテレクチャリズム(知識人嫌い)」という現象があるのではないかと私は考えています。アメリカでもこの問題は深刻で、ブッシュがゴアに勝利した最大の要因とされています。ヨーロッパではエリートがまだまだ存在し続けており、その抑制力が働いていると考えられます。しかし、我々の国では、政治指導者ですら「難しいことは分からない」と平気で言うほどこの現象が浸透しています。これは深刻な問題です。
結局のところ、メディアもまた「アンチインテレクチャリズム」に乗っかっているだけかもしれません。本書でも指摘されているように、メディアは大衆の好みに合わせた情報を提供しているに過ぎないのです。ニワトリが先か卵が先かのように、答えにくい問題ですね。

1年前
篤司
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メディアを中心とした自己中心的かつ恣意的な情報の取捨選択や操作による「メディア・バイアス」の働き方や実態を明らかにし、それに騙されずに客観的な視点や思考を持つ方法を示す。
世の中には、自己都合を満たすためにセンセーショナルで分かりやすく見せかけて「科学的に正しい」と装ったニセ科学やトンデモ科学者・理論が蔓延しています。これらはメディアや企業・組織・市民団体などによって利用され、そして視聴者・消費者たちも簡単に盲信してしまう傾向があります。このような「科学的な外観」を持つ嘘や怪しげな情報が広まることは、メディアを中心とした情報取捨選択や操作による「メディアバイアス」の存在を明らかにする一方で、そのような情報に騙されない視点や思考方法を提案しています。
本書では問題提起された代表的な事例として、「白インゲン豆ダイエット」「納豆ダイエット」「みのもんた症候群」「中国産野菜残留農薬問題」「フードファディズム(タマネギが糖尿病に良い、リンゴポリフェノールが脂肪吸収を抑制するなど)」「食物繊維と大腸癌の関連性」「環境ホルモン騒動」「化学物質過敏症」「添加物バッシング」「有機・無農薬栽培の安全性」「マイナスイオン効果」「水からの伝言」「遺伝子組み換え大豆の危険性」「バイオ燃料」などが含まれています。
著者は食や農業に関わる健康情報を専門としており、その視点から主に議論されていますが、美容業界など他の業界にも当てはまる内容だと感じます。
メディアには自己浄化能力がないと考える必要があります。したがって、私たちは自分自身で情報を収集し、選択する能力を磨くしかありません。この本は多くの人に読んでもらいたいです。
本書では問題提起された代表的な事例として、「白インゲン豆ダイエット」「納豆ダイエット」「みのもんた症候群」「中国産野菜残留農薬問題」「フードファディズム(タマネギが糖尿病に良い、リンゴポリフェノールが脂肪吸収を抑制するなど)」「食物繊維と大腸癌の関連性」「環境ホルモン騒動」「化学物質過敏症」「添加物バッシング」「有機・無農薬栽培の安全性」「マイナスイオン効果」「水からの伝言」「遺伝子組み換え大豆の危険性」「バイオ燃料」などが含まれています。
著者は食や農業に関わる健康情報を専門としており、その視点から主に議論されていますが、美容業界など他の業界にも当てはまる内容だと感じます。
メディアには自己浄化能力がないと考える必要があります。したがって、私たちは自分自身で情報を収集し、選択する能力を磨くしかありません。この本は多くの人に読んでもらいたいです。

1年前
伊藤 あすか
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