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動脈硬化やメタボの原因と言われていた脂質に、新たな成分が注目されています。

まだ読んでいない本があります。そろそろ読もうと思います。

著者の奥山治美先生は、日本脂質栄養学会の前会長であり、金城学院大薬学部教授および脂質栄養オープンリサーチセンター長を務めています。

本書では、「よい油脂」と「悪い油脂」についての常識が覆されると示唆されています。

・特保の油に対して疑問が投げかけられます。
・バターの方が植物油よりも良いです。
・コレステロール対策において「善玉」「悪玉」が180度逆転していることが説明されます。
・摂取するリノール酸がうつ病、癌、アレルギーの増加や寿命の短縮に関与していることが指摘されます。
・トランス脂肪酸が本当に悪影響を及ぼすかについて疑問が提起されます。
・シソ油や魚油などの「第3の油」の重要性がますます高まっていることが語られます。

一読する価値がある作品であり、驚くべき事実が紹介されています。皆様におすすめできる一冊です。

そして、奥山先生が勤める金城学院大学オープン・リサーチ・センターのウェブページは非常に有益な情報源です。以下はその研究目的を示した引用です。

『脂質栄養ほど大きな方向転換を余儀なくされている分野は、現在の医療分野では見当たりません。従来、健康指導として「動物性脂肪とコレステロールの摂取を減らし、植物油を増やす」というアプローチが長期間行われましたが、むしろ心臓病の発症率が増加し、寿命が短くなることが明らかになってきました。それに対して、[1] 摂取する油脂のω6/ω3比（n‐6/n‐3比）を低く保つこと、および[2] 有害因子を含む食用油の摂取を減らすことが、動脈硬化、癌、アレルギー症、精神神経症の予防に有効であることが明らかになってきました。

本研究は、脂質栄養の新たな方向性を消費者に啓蒙し、油脂の安全性に関する研究を推進し、健康増進に寄与することを目指しています。』

皆様にはぜひこのウェブページも参考にされることをお勧めします。

なぜ近年、花粉症やアトピー、喘息などのアレルギー性疾患が増えてきたのでしょうか？また、潰瘍性大腸炎やクローン病といった難治性の炎症性疾患についてもよく耳にするようになった理由は何でしょうか？

明確な答えは得られませんが、戦後日本ではリノール酸豊富な植物性油が大量に消費されるようになりました。スナック菓子や揚げ物を多く摂取することによって、リノール酸が体内で代謝され、さらにアラキドン酸へと変化します。そしてアラキドン酸はアラキドン酸カスケードと呼ばれる過程を経て、炎症を引き起こす物質へと代謝されてしまいます。このため、リノール酸の過剰摂取は炎症を起こしやすくなる可能性があります。

一方、αリノレン酸やその代謝物であるEPA・DHA（主に魚に含まれています）は、脳に良い影響を与えることが知られています。しかしリノール酸はその働きを妨げ、摂り過ぎると脳にとって好ましくない影響を及ぼす可能性があります。

このように食事と病気（特にアレルギー性疾患や精神疾患）の関係は重要であり、医食同源の考え方も強調されています。以上が現代の食生活と健康問題の一例です。