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体の中の異物「毒」の科学 ふつうの食べものに含まれる危ない物質 (ブルーバックス)
この文章はさまざまなトピックに関して述べられています。わかりやすくするための工夫がいくつかありますが、「誰にでも理解できる」レベルにはもう少し改善が必要です。
本書によれば、毒には「自然毒」「合成毒」「無機毒」「その他の毒(放射性物質など)」が存在するとされます。しかし、本書では特に「生物が作り出す毒による食中毒」というテーマを省いており、「一般向けの解説書がほとんど存在しない化学物質による中毒」に焦点を当てています。 「解毒」の章では、シンナーの吸引がなぜ危険であるかや、「無機物」の章では、体温計の水銀がなぜ食べても害がないのかなどをわかりやすく説明しています。また、最初の目立つコラムで「相関性と因果関係」という統計学的な正確さが重要であることが示されています。そして最後の章「毒を封じる社会制度」では、抗生物質の乱用や健康食品に潜むリスクなど、現代と未来に対する警鐘が鳴らされており、非常に真剣味のある内容です。 放射性物質に関しては簡単に触れられており、「(カリウム40の存在により)食物中の放射能をゼロにすることは原理的に不可能である」という現実を考慮した適切な記述がされています。 「がんを引き起こす毒物」については60ページほど割かれ、アレルギーについても簡単に触れられています。 この本は、「毒」の全体像を語ろうとするまじめで好感が持てる一冊です。ただし、情報量が多すぎてすべてを伝えきるには難しい面もあります。「毒」という対象が広範囲すぎるため、話題が次々と分散しており、関連性のある内容を読んでいるとは感じられません。 本文中には有機化学の解説も含まれており、有機化合物に詳しくなくても読むことができますが、「化学嫌いを払しょくするためのほんの少しのお手伝い」とまではいかないかもしれません。中学校の化学の知識でも少し厳しいと思われ、化学の知識がゼロの人には難解だと言えます。 しかし、勉強意欲のある方が少し頑張って読むには非常に良い本だと思います。
GITmmuV
2023-11-27
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